ネスレの『パッケージング研究所』って?環境問題に取り組む施設を徹底調査

    環境問題に取り組むネスレが発表した『パッケージング研究所』の開所とその内容について

    ※内容に広告・プロモーションを含みます

    スイスに拠点を置く世界的食品メーカーであるネスレが、2019年の9月に「パッケージング研究所」を開所しました。

    食品業界としてはパッケージング研究を名目とした同施設の開所は史上初の試みで、今後も世界から注目を集める存在となりそうです。

    1. ネスレのパッケージング研究所とはいったいどういったものなのか?
    2. 何の目的で作られたのか?

    ここではその具体的な内容と目的について分かりやすく解説していきます。

    普段から自分が買っている食品のパッケージについて少しでも興味を持ってもらえればと思いますので、ぜひ最後までご覧になっていってください。

    ネスレの「パッケージング研究所」とは?

    まず2019年9月にネスレが開所した「パッケージング研究所」の概要から説明をしていきます。

    パッケージ研究所とは

    • 商品を包む容器の素材
    • 発送する際の梱包材

    について研究をしている施設です。

    具体的には、空容器となった資材をいかにリサイクルできるようにするか、そしてゴミとなる物質をどれだけ減らせるのかを研究しています。

    この研究所では、詰替えが可能な容器やリサイクルができる容器の開発をメインに、廃棄物そのものを無くそうという目的のもとパッケージのシンプル化を目指しています。

    特に

    1. 高機能バリア紙
    2. 再利用パッケージ素材
    3. 植物由来・堆肥化可能・生分解性素材

    の研究というのは、今後の環境問題において欠かせない分野です。

    こうした研究をおこなうことで、世界的な規模の環境保全に役立てようとしているのがネスレのパッケージ研究所となります。

    ネスレのパッケージ研究所の具体的な目的

    ネスレがパッケージ研究所を開所するにあたって、具体的な目的として掲げたのは地球温暖化の防止です。

    現在、年を追うごとに地球の気温が高まっていることは誰しもが知るところだと思います。

    そして、その主な原因にはCO2を含む温室効果ガスの排出量が産業革命以降から圧倒的に多くなっていることが挙げられます。

    ちなみに、このまま温暖化が進むと100年後には世界の主要都市の多くが「温暖化による海面上昇」で海の中に沈むと予想されているわけですが、こうした温暖化をストップさせるためには、ゴミの排出量を減らし無駄なエネルギーを使わないというのがもっとも効果的です。

    その中でネスレは、パリ協定で定められている2050年までの温室効果ガスの削減目標を目安にGHG(温室効果ガス)排出ゼロを発表しました。

    そしてネスレとしては今後の気温上昇を1.5度までに抑えるという最終目標のために、以下の取り組みをおこなうそうです。

    気候変動の影響に配慮した原材料およびパッケージの使用

    今後ネスレでは長期的な視点から気候の変動に配慮した食品作り、さらにそのパッケージに対する研究を進めていきます。

    これは植物性の食品や飲料品を増やすことや、リサイクル容器の開発などをメインとした取り組みです。

    また、その中にはユーザーの健康を害することがない原材料選びというのも含まれています。

    二酸化炭素回収プロジェクト

    ネスレは森林保全や農業コミュニティーの形成によって、地球上に存在する余分な二酸化炭素を削減するように努めていきます。

    これは農業に従事する人間たちとの関係性を構築し、より環境に配慮した原材料作りを支持していくことを目的としたものです。

    さらに植林活動などを通じて、新しく二酸化炭素を受け止める土壌を作り上げていくという考えも発表しています。

    エネルギー利用の仕方

    今後ネスレでは、すべての工場や倉庫などにおいて100%再生可能エネルギーを利用することを目標としています。

    なお、すでに30%ほどの施設においてはこの取り組みが実施されていますが、これを100%にするのがネスレの最終目標です。

    また、ネスレという世界的な食品メーカーが再生可能エネルギーをメインにすると発表したことは、多くの企業や投資家たちにとって太陽光発電所や風力発電所が投資に値するものと再認識させる役割も果たしています。

    こうしたインフラ環境にお金が集まることは結果的に自然環境を守ることに繋がりますので、今後はそういった自然エネルギー関連企業の動きにも注目が集まると言えるでしょう。

    ネスレのパッケージ研究所の取り組み

    ネスレはパッケージ研究所を開所する前から新しい梱包素材について研究を重ねていましたが、すでに「Nesquik All Natural ココアパウダー」と「Yes! スナックバー」という2つの商品のリサイクルパッケージ化を実現しています。

    また、ゴミそのものが肥料となるようなバイオ素材でのパッケージ開発なども進められていて、その実用化というのには非常に期待がされています。

    さらに商品の配送システムについても見直しをはかり、直近4年間では配送時に発生する温室効果ガスを40%弱削減することに成功しています。

    ネスレのパッケージ研究所についてのまとめ

    世界的食品メーカーであるネスレが、自然環境に配慮したパッケージ製品を開発するために開所したのが「パッケージ研究所」です。

    この研究所では、いかにゴミを出さずにリサイクルできる製品を生み出すかを目標に研究が進められています。

    また、ネスレではパッケージだけでなくエネルギー利用の在り方や配送システム、森林保全といった活動に対しても積極的な姿勢を見せていますので、ぜひ今後もその取り組みに注目してみてください。

      関連記事

      人気記事

      新着記事